【環 境】大和ハウス 響灘火力発電所の経営権取得 バイオマス専焼発電所へ転換

大和ハウス工業は福岡県北九州市の「響灘火力発電所」の経営権を取得し、2023年1月26日付で同社のグループ会社とした。現在、響灘火力発電所は石炭とバイオマス燃料(木質ペレット)の混焼による発電を行っているが、バイオマス燃料を100%利用したバイオマス専焼発電所へ転換し、2026年4月の運転開始を目指す。

大和ハウス工業は2022年5月に公表した「第7次中期経営計画」において、“カーボンニュートラルの実現”をテーマとしており、その一つとして再生可能エネルギー供給量の拡大を掲げている。2026年度には累計1,550MW以上、2030年度には累計2,500MW以上の再エネ供給施設を自社運営し、広く社会にクリーンなエネルギーを供給することを目指している。そのような中、より積極的に自社運営施設を拡大すべく、定格出力112MWの発電能力を有する響灘火力発電所を取得した。

響灘火力発電所は2019年の運転開始以来、石炭70%とバイオマス30%を燃料とする混焼により、経済性と環境負荷低減に寄与する発電所として地域電力の安定供給に貢献してきた。しかし脱炭素化の流れが世界的に加速しており、ゼロカーボンに向けた取り組みが求められる中、以前から取引関係にあった大和ハウス工業はカーボンニュートラルの実現に向けたバイオマス専焼化に取り組むため、子会社とした。

今後は、大和ハウス工業が既存設備(微粉炭機、集塵装置、ボイラーなど)の改造や燃料貯蔵設備・燃料搬送設備などの増設改造を行い、年間のCO2排出量を約45万t削減すると共に、再生可能エネルギーの課題である間欠性(※)のない安定的なベース電源として2026年4月のバイオマス専焼による運転開始を目指す。


※ 間欠性

自然条件により日ごと・時間ごとに安定した出力を維持できない特性


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です