【環 境】ヤマト運輸 国際規格に基づいたGHG排出量可視化ツールの開発を開始

ヤマト運輸は令和5(2023)年3月20日に発行された物流領域における温室効果ガス(GHG)排出量算定基準の国際規格ISO14083:2023に基づいたGHG排出量可視化ツールの開発を開始した。

今回発行された国際規格は、トラック輸送だけでなく、航空・海上輸送などのあらゆる輸送手段やターミナルも含めたGHG排出量の算定基準であるため、ヤマト運輸の輸送によるGHG排出量について、より実態に即した算出が可能となる。可視化ツールは2023年10月の完成を目指す。

気候変動への対応は国際社会全体の喫緊の課題であり、多くの企業が社会的責務としてGHG排出量実質ゼロを掲げ、各取り組みを進めている。またビジネス上では、製品に係わるGHG排出量の報告がサプライヤーに対する取引条件になるなど、個社単位の対応ではなくサプライチェーン全体での対応が求められる。物流領域のGHG排出量の算出は、各社・各国が様々な基準を採用しているが、サプライチェーンのグローバル化により、国際規格の必要性が高まっている。

ヤマトグループは令和4(2022)年7月に欧州最大の宅配ネットワークを持つDPDグループと、物流におけるGHG排出量の可視化と環境分野での協力に向けた基本合意書を締結し、国際規格ISO14083:2023の算定基準づくりにも参画するなど、積極的に取り組んできた。新たに発行されたISO14083:2023を物流企業としていち早く取り入れ、より実態に即したグローバルでも活用できる可視化ツールの開発を進めている。

ヤマト運輸が顧客にロジスティクス戦略を提案する際に重視しているのは、経営に対する物流の効果を最大化し、それによって商流の効果を高め、ビジネスの価値向上に貢献することである。そのためにまずサプライチェーン全体でのモノの動きの可視化を行うが、これは輸配送におけるGHG排出量の可視化と同義であり、物流と在庫の最適化を行うことで、輸配送におけるGHG排出量の削減が可能となる。さらに、物流と在庫の最適化が生産や資材調達の改善に繋がれば、温室効果ガスの直接排出量の削減にも貢献する。


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