【環 境】DNP・双日・ダイヘン ワイヤレス充電機能を搭載した商用EVで公道実証

大日本印刷(以下「DNP」)、双日とダイヘンの3社は、ワイヤレス充電機能を搭載した商用電気自動車(EV)の実用化に向けて業務提携し、共同で取り組むことについて基本合意した。

EV関連事業並びに周辺設備を含めた「グリーンEVインフラ事業」(再生可能エネルギー由来の電力による充電を前提としたEVインフラ整備事業)に取り組んでいる双日は、「ワイヤレス充電システム」の開発を推進してきたダイヘンと、充電時の漏洩磁界(*1)を低減させた薄型・軽量な(*2)「ワイヤレス充電用シート型コイル」を開発するDNPとともに、同コイルを使用した車両側受電コイルおよび地上側送電コイル設備の開発に取り組み、システム化に成功した。このシステムを用いたワイヤレス充電の実証実験を行うべく、双日が提供する商用EVにて3社合同で試作車両(*3)の開発を行い、2022年11月にワイヤレス充電機能を搭載した実証実験用の商用EVが完成した。

3社は完成した商用EVの安全性を確認した後(*4)、2023年2月にワイヤレス充電機能を搭載した商用EVでは国内初となる改造車登録の認可を軽自動車検査協会より取得し、公道での走行を開始した。

ワイヤレス充電は、充電器と車体をケーブルで接続する必要がないため、充電作業の負荷軽減と利便性の向上が期待されている。脱炭素社会の実現に取り組む企業でのEV運用が増加する中、ワイヤレス充電の実現によって、充電ケーブルに起因するトラブルやメンテナンス費用、充電スペースの削減等が見込まれる。また自動駐車技術との親和性も高く、ドライバーを充電作業から解放する完全自動充電が可能となるため(*5)、早期の普及が望まれている。


*1 漏洩磁界 : 磁気を帯びた空間がコイルの外側に発生すること

*2 従来技術と比べて、重量・厚みが約1/4となる薄型・軽量シート型コイル

*3 試作車両開発は双日子会社 双日プラネット株式会社も共同参画

*4 安全性確認 : 私有地内で1ヶ月間充電試験、耐候性試験、充電基本性能試験等

*5 商用EVドライバーの充電作業時間は年間で約20~120時間以上となる可能性があり、ワイヤレス充電は労働時間削減にも寄与する新技術として期待されている


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