【物 流】シャープ 収納力拡大可能な「多階層ロボットストレージシステム」の受注開始

シャープは物流倉庫の収納力を拡大し、自動搬送ロボットによるピッキング作業の省力化を実現する「多階層ロボットストレージシステム」の受注を2023年2月14日に開始した。

物流業界では、EC市場の拡大などを背景とした物流量の増加や深刻な人手不足から、DXによる効率化やロボットを活用した自動化へのニーズが急速に高まっている。「多階層ロボットストレージシステム」は物流倉庫の商品保管スペースを2階層以上の多階層構造(※)にすることで、これまでデッドスペースになっていた空間を有効活用することができる。その結果、収納力を1.5倍以上に拡大でき、季節や需給状況の変化にともなう在庫量の増減に柔軟に対応することを可能にする。例えば天井高約5.5m、面積約500m2の倉庫を2階層にした場合、コンテナ収納量が、5,600個から8,600個に拡大できることになる。

また同システムは、自動搬送ロボットがピッキング作業者のもとへ商品棚やパレットを運ぶGTP(Goods to Person)方式を採用しているほか、シャープ独自の集中制御システム「AOS(AGV Operating System)」が、最大500台までの自動搬送ロボットを最適に配車することができる。2階層以上にある商品棚も、リフターで1階の作業者のもとへ搬送するので、作業者は、すぐそばまできた商品棚からプロジェクターが映し出す個数を確認しながら、ピッキングできる。都度、作業者が商品棚まで足を運ぶ必要がなく、作業スピードや生産性の大幅アップが実現するうえ、人為的ミスも抑制することが期待できる。

現状は倉庫の規模に応じた3タイプの基本パッケージを用意しており、基本パッケージをベースに、個々のニーズに応じて、商品棚の高さやサイズ、搭載重量などを柔軟にカスタマイズすることも可能としている。


※ 天井高や面積、レイアウトなどによって、造設できる階層の最大数は異なる


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です