【知 識】大阪ガス EVメーカー・フォロフライと資本業務提携

大阪ガスは商用電気自動車(以下 EV)の開発・販売を行うフォロフライと資本業務提携した。今後、自動車リース事業における商用EVの活用検討および車載蓄電池のリユース活用について、フォロフライとの連携を進める。

2050年のカーボンニュートラル実現に向け、さまざまな領域でのCO2排出量削減が求められている。その中で日本全体のCO2排出量の20%弱を占める運輸部門の脱炭素化は重要であり、電源の脱炭素化に合わせたEVの普及拡大が有効な手段と位置付けられている。

また近年、再生可能エネルギー(以下 再エネ)の導入が進んだことで、再エネの不安定性を補完するデマンドレスポンス(以下 DR)やバーチャルパワープラント(以下 VPP)による調整力が求められており、EVも"動く蓄電池"として、DR・VPPにおけるエネルギーリソースの役割が期待されている。

フォロフライは商用EVの企画、設計、開発および販売事業を行っている。国内EVメーカーが参入していない1トンクラスのバンを開発し、2022年9月には小型貨物EVとして国内初の緑ナンバーを取得し、宅配事業での運行を開始した。高い技術力、国内外のEVメーカーとのネットワークを強みに、商用EVのグローバル・リーディングカンパニーを目指している。

業務提携を通じて、まずは大阪ガス100%子会社の大阪ガスオートサービスが、フォロフライの商用EVを活用し、両社の事業拡大を目指す。

大阪ガスは使用済の車載蓄電池を定置用蓄電池(※1)として活用する持続可能なサプライチェーンの構築を目指し、フォロフライと連携して、車載蓄電池のリユース活用の検討を進める。大阪ガスは、フォロフライの商用EVをリース等で利用する際に、車載蓄電池のデータを取得・分析する。さらに大阪ガス100%子会社のKRIの劣化診断(※2)等の技術を活用することで、車載蓄電池を系統用蓄電池(※3)としてリユース活用するために検討する。


※1 定置用蓄電池

住宅や商業施設、病院、工場などの建物に設置され、電気料金の削減や、停電時のバックアップ電源としての利用を主な目的とする蓄電池

※2 劣化診断

リチウムイオン電池の寿命を予測する技術

※3 系統用蓄電池

電力系統の電力が余った時には蓄電し、不足した時には放電すること等で系統を安定化することを目的に送電網に直接つなぐ蓄電池 


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