【流 通】三井住友海上火災保険 ispaceと「月保険」開発 月への航行・着陸補償

三井住友海上火災保険はispaceと、今後拡大が予想される月面ビジネスにおいて発生するリスクを補償するため、打ち上げから月面着陸までを補償する世界初の「月保険」を共同開発した。

この保険は最短で2022年11月(※1)に打ち上げを予定しているispaceのミッション1(※2)で同社に生じる損害を補償する。今後、三井住友海上火災保険は、月面開発を企図している事業者へ同保険を提供していく。

アルテミス計画に代表されるように宇宙開発は月に注目が集まっており、その後、火星や地球から200万km以上離れる深宇宙へと人類の活動領域は拡大していくことが想定されている。

そのような中、三井住友海上火災保険は2019年2月に民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のコーポレートパートナーに就任し、まだまだ人類にとって未知の領域である月面や月までの航路といった新たな挑戦に対して全力で立ち向かえるよう「月保険」開発に関する協業を発表した。

三井住友海上火災保険はispaceとの協業を通じて、月への航路や着陸の際に起こり得るリスクなどを分析し、ロケット打ち上げから月遷移軌道上でランダー(月着陸船)が切り離され、月までの長期間におよぶ航行期間や月面着陸時に発生する損害について協議を重ねてきた。そして新たな宇宙保険のラインナップの1つとして、打ち上げから月面着陸までをシームレスに補償する「月保険」を共同開発した。

地上では損害箇所を目視することができるが、宇宙および月面では損害を目視することはできない。そこで月保険はランダー(月着陸船)から発信される様々なデータを地上で受信し、ランダー(月着陸船)の状態を確認する。データが受信できない場合やデータに異常値がみられた場合など、予定していた月面航行や着陸が達成できない場合などに保険金を支払う。

今後、三井住友海上火災保険はispaceを含む月面開発を企図している事業者へ月保険を提供し、月面市場のビジネス創出を後押する。また宇宙旅行や民間宇宙ステーション(ポストISS)のような、新たな宇宙領域で生じるリスクを軽減するソリューションを提供する。

※1  2022年10月時点の想定

※2 ispaceがSpaceXのFalcon9を使って打ち上げ、独自開発したランダー(月着陸船)によって実施する、ispace初の月面着陸ミッション


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です