【環 境】三井住友ファイナンス&リース傘下企業が航空機脱炭素ソリューション提供

三井住友ファイナンス&リース(以下 SMFL)は傘下の航空機リース会社SMBC Aviation Capitalを通じて、カーボン・クレジット創出プロジェクトに投資を行い、航空会社向け航空機オペレーティング・リースにカーボン・クレジットの販売を併せたソリューションの提供、ならびにカーボン・クレジット単独での販売を開始する。カーボン・クレジットを活用した航空会社向けの脱炭素化支援は、航空機リース業界初の取り組みとなる。

航空業界は国連の専門機関である国際民間航空機関(以下 ICAO)により、年平均2%の燃費効率改善、および令和2(2020)年以降はCO2排出量を増加させない「CNG2020」を採択し、グローバルベースでCO2削減目標が定められている。ICAOは目標達成に向けた施策の一つとして、「国際民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(以下 CORSIA)」に沿ったカーボン・クレジット取引制度の活用を提唱している。CORSIAは脱炭素化への短中期的な施策として注目されており、令和3(2021)年の運用開始以降、国際線を運航する航空会社はCO2排出量が令和元(2019)年の年間水準を上回る場合、超過分のカーボン・クレジットを購入する義務が課されている。現在は自発的に参加した国間の航路が対象となっているが、令和9(2027)年以降はすべてのICAO加盟国(一部免除対象国を除く)に義務が課される。

SMBC Aviation Capitalはカーボン・クレジット創出プロジェクトとして、CORSIAに準拠したアフリカ・アジア・中南米のクックストーブプロジェクトを支援し、認証基準Verified Carbon StandardとThe Gold Standardで認証された計53.3百万ドルの民間主導によるカーボン・クレジットを調達する。調達したカーボン・クレジットは航空機オペレーティング・リースと併せて販売、もしくは単独で販売し、航空会社の脱炭素化を支援する。投資対象のプロジェクトにおいては、伝統的な調理方法に頼る地域の各家庭にエネルギー効率が高く環境や健康への負荷の低いクックストーブを提供する。クックストーブを設置することで人々の健康増進、森林伐採の削減、薪集めの労働時間削減、貧困地域の所得増加、および女性の地位向上に貢献し、SDGsの17の目標においては主に「3.すべての人に健康と福祉を」、「5.ジェンダー平等を実現しよう」および「13.気候変動に具体的な対策を」への取り組みを支援する。

SMBC Aviation Capitalは、令和32(2050)年までに自社事業でCO2排出量ネットゼロを達成するために、保有機材の最新機種(A320NEO、B737MAX)への入れ替えを推進し、令和6(2024)年中に最新機種の割合を80%程度とすること、代替航空燃料(SAF)の普及をサポートするための投資を実行すること、将来的に水素航空機・電動航空機の導入を検討することを計画している。


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