【環 境】太平洋セメント 「カーボフィクスセメント」の開発に成功

太平洋セメントはセメント製造段階での二酸化炭素(CO2)発生量が少なく、かつCO2との化学反応によって硬化するセメント系材料「カーボフィクスセメント」(英語表記:CARBOFIX CEMENT)を開発した。カーボフィクスセメントはCO2と化学反応することで硬化し、所定の強度を発現する。また一般的なポルトランドセメントよりも CaO含有率が低く、より低温でクリンカを焼成するため、製造時のCO2排出量も削減している。製造時のCO2排出量削減と、硬化時のCO2吸収をあわせることにより、大幅なCO2削減を実現している。

カーボフィクスセメントはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業「炭素循環型セメント製造プロセス技術開発(2020~2021年度)」で得られた知見をベースに、回収されたCO2をセメント・コンクリ-ト系材料に固定化させるためのカーボンリサイクル技術(CCU)の一環として開発した。上記助成事業においてカーボフィクスセメントを用いて製造したインターロッキングブロックはCO2排出量の約60%の削減を達成した。なお、廃コンクリートにCO2を固定化した合成炭酸カルシウム(上記助成事業で実証試験実施)やCaOを含む各種リサイクル原料を用いることで、原料由来のCO2排出削減などをさらに拡大することができるため、同社はカーボンネガティブの達成も可能と考えている。


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