【環 境】JOGMEC JX石油開発とCO2鉱物化に関する共同研究契約を締結

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下 JOGMEC)は、カーボンニュートラルに貢献する技術として期待されるCO2鉱物化について、JX石油開発と「令和4~5年度 室内実験によるCO2鉱物化の定量的評価」に関する共同研究契約を締結した。

近年、気候変動問題に対応するための脱炭素化への動きが世界的に加速しており、我が国においても、2020年10月に日本政府が2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。JOGMECは、この目標達成に貢献するべく、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収・貯留)事業の技術支援、および研究・開発を進めている。

大気中に存在するCO2(気体)は、一定の条件下では、火成岩(マグマが冷えて固まった岩石)などの特定の岩石中の水との間で化学反応を起こし、固体の鉱物として析出することが分かっている。この化学反応を利用して地下に固体としてCO2を貯留する技術は、貯留されたCO2が長く地層中にとどまるため、安定性などの観点から注目されている。

この技術は地下での化学反応の速さがわからないといった問題が指摘されていたが、本共同研究において、国内に分布する火成岩を利用した室内実験を行い、その結果からCO2鉱物化の割合や反応速度などについて定量的な技術評価を実施し、日本におけるCO2鉱物化を利用したCCS事業の可能性を検討する計画だ。本共同研究の成果によっては、国内において従来はCO2貯留の対象とはみなされていなかった火成岩にCO2を固定できる可能性が広がる。また、日本国内のみならず、世界中に分布している火成岩への適用も期待され、様々な地域においてCO2削減に貢献できると期待される。


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