【知 識】山九 東工大発ベンチャー・つばめBHBに資本参加

山九はつばめBHBが発行する新株予約権を引受け、資本参加した。つばめBHBは2017年に設立され、消費する場所で必要な量のアンモニアを生産するオンサイトアンモニア供給システムの実用化を進めている東京工業大学発のベンチャー企業で、東京工業大学の細野秀雄栄誉教授(※1)グループが開発したエレクトライド触媒(※2)を用いることで、従来の技術よりも低温・低圧でアンモニアが合成できるため、プラントの小型化、アンモニアの地産地消ができるようになる。加えて従来のCO2を大量に排出するハーバー・ボッシュ法によるアンモニア合成に比べ、環境負荷の軽減にもつながる。

アンモニアは農業肥料や化学品原料としての用途が大半だが、燃焼してもCO2を排出しない次世代燃料として電力の脱炭素化への貢献が期待されている。また電力・非電力双方の脱炭素化への貢献が期待される水素の輸送・貯蔵における水素キャリアとしての活用も有望視されており、更なる需要拡大が見込まれている。

山九は物流・機工・構内操業支援を融合させたサービスを通じて、つばめBHBの革新的な触媒技術を用いたソリューションおよびビジネスモデルの展開をサポートし、脱炭素社会の実現に寄与する。


※1 細野秀雄栄誉教授

東京工業大学フロンティア研究機構教授。2012年より東京工業大学元素戦略研究センター長。多岐にわたる研究成果により国内外において様々な賞を受賞している

※2 エレクトライド触媒

電子がマイナスイオンとして振る舞うエレクトライド(電子化物)を用いた触媒。この技術を用い、低温・低圧条件下で高効率のアンモニア合成が可能となる


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