【知 識】アステラス製薬 英企業と感音難聴の再生医療に関する共同研究契約締結

アステラス製薬は、英・Mogrifyと感音難聴の治療薬創出を目指した再生医療に関する共同研究契約を締結した。

共同研究では、Mogrifyのダイレクトリプログラミング(※1)に関する独自のプラットフォームを活用し、新たな蝸牛有毛細胞(※2)を生み出すため、感音難聴の細胞分化に関わる転写因子(※3)の新規組み合わせを同定することを目的にしている。共同研究でMogrifyは、自社のプラットフォームを活用して、化合物のスクリーニングおよび検証を行い、アステラス製薬は研究費を負担するとともに、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用いた遺伝子治療に関する専門性と感音難聴における前臨床ならびにトランスレーショナル・リサーチの基盤技術を活用して、開発候補品の同定を目指す。

全世界で推定15億7,000万人が難聴に罹患しており、米国のデータによると難聴者の10%以上が少なくとも片耳で高度から重度の感音難聴を発症しているとされている。高度から重度の感音難聴は生活の質を著しく低下させるが、現在使用可能な治療薬はなく、高いアンメットメディカルニーズが存在する。


※1 ダイレクトリプログラミング

多能性幹細胞を介さずに体細胞から目的とする分化細胞に直接誘導させること

※2 蝸牛有毛細胞

内耳にあり、音刺激を電気信号に変換し、音として知覚している

※3 転写因子

DNAに特異的に結合するタンパク質で、遺伝子の発現を調節する。標的の遺伝子に応じて多様な種類や組み合わせがある


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