【知 識】大分大学とアデランス 抗がん剤脱毛の予防・毛髪再生を研究する寄附講座設置

大分大学とアデランスは、抗がん剤治療の副作用である脱毛の予防並びに毛髪再生に関する寄附講座「先端がん毛髪医療開発講座[アデランス]」を設置した。

大分大学とアデランスは抗がん剤脱毛に対する取り組みとして産学連携共同研究を2013年より継続して行っており、基礎研究による抗がん剤脱毛のメカニズム解明、αリポ酸誘導体の抗がん剤脱毛後の回復促進効果を示した多機関共同臨床研究、αリポ酸誘導体を用いた頭皮ケアローション開発など多くの成果が得られた。

近年、日本では年間約100万人が新たにがんに罹患し、2人に1人が一生のうちに、がんと診断される。がん治療の進歩により、罹患後の生存期間が延長し、働きながら外来通院治療を継続する患者も増え、がん患者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の改善、脱毛をはじめとする外見の症状に対するケア、毛髪を用いた新しい健康管理、医療ケアの研究開発など、従前にも増してその研究の重要性と社会的な意義が高まっている。抗がん剤治療は手術、放射線治療と並び、がん治療の3本柱の一つであり、多くのがん患者様が抗がん剤治療による脱毛に苦しんでいるが、十分な予防法はない。これまでの共同研究では、基礎・臨床研究において抗がん剤脱毛機序の解明や、抗酸化物質αリポ酸誘導体の脱毛に対する有用性を示しており、今後この研究成果は多くのがん患者のQOL向上に貢献することが期待される。

このような中で大分大学とアデランスの双方は、αリポ酸誘導体の新たなる用途の発掘、国内外での医療ニーズに応える国際展開、がん患者のQOL向上など社会の多様な要請に応えるためには既存の共同研究の枠組みを発展させ、研究教育組織としての寄附講座を設置する事が有効であると判断したことから寄附講座設置に合意した。


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