【環 境】川崎重工 舶用水素ボイラの基本設計を世界で初めて完了

川崎重工は、クリーンなエネルギーである水素を燃料とする舶用水素ボイラの基本設計を世界で初めて完了した。

このボイラは、これまでのLNG(液化天然ガス)運搬船の建造で培った舶用ボイラの技術やノウハウと、同社が保有する水素燃焼技術のシナジーを活用して開発した。既に実用化されている小型の陸用水素ボイラとは異なり、波の揺動や設置スペースの制限が伴う船舶特有の条件や運用面などを考慮した設計となっており、またボイラ内の重要部品である水素燃焼バーナは、令和3(2021)年度に実スケールサイズで燃焼試験を実施し、従来の天然ガス焚きバーナより高いターンダウン比を実現した。

今回設計されたボイラは蒸気タービンプラントや燃料供給システムと組み合わせ、二元燃料推進システムとして大型液化水素運搬船に搭載される予定である。航海中に液化水素を積載した貨物タンクから、侵入熱により自然発生した水素ガスをボイラに供給し、有効に推進燃料として活用する。

今後は詳細設計・製作を行い、2020年代半ばに実用化を計画している大型液化水素運搬船に搭載し、水素社会の実現に向けて実証を進めていく。


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