【環 境】豊田通商 国内初、船舶向けバイオディーゼル燃料の供給トライアルを実施

豊田通商のグループ会社・豊通エネルギーは、日本郵船の関連会社である三洋海事が運航するタグボート向けに、名古屋港でShip to Ship方式による舶用バイオディーゼル燃料(以下:バイオ燃料)の供給トライアルを、2022年4月19日に実施した。Ship to Ship方式によりバイオ燃料を供給するのは国内で初めて。

今回、三洋海事のタグボート向けに供給したバイオ燃料は、豊田通商がダイセキ環境ソリューションと連携し、一部、国内のトヨタグループや豊田通商グループ企業から回収した廃食油を原料として使用された。地産地消によるサプライチェーン構築を通じてサーキュラーエコノミー(循環型経済)にも資する取り組みで、船舶の既存の内燃機関にそのまま使用可能な脱炭素燃料であるバイオ燃料に関して、国内でサプライチェーンおよび常時利用が確立されれば、内航船運航会社を含む海運業界のカーボンニュートラル推進に向けた一助になる。

海運業界は世界の温室効果ガス(以下 GHG)排出の約2%を占め、2018年には、国際海事機関がGHG削減戦略を採択し、2050年までにGHG排出量を2008年比50%に減少させる目標を定めた。また日本政府は、2030年までに2013年比46%削減、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを表明し、グリーン成長戦略の中で、船舶燃料を石油由来の重油や軽油から代替燃料に転換することを推進している。船舶向けには中長期的に水素やアンモニアが期待されているが、多額の投資や技術開発などを伴うことから、足元の脱炭素燃料としてバイオ燃料が有望視されている。

豊田通商グループは、2021年4月、シンガポールで初めての船舶燃料供給船(バンカーバージ)によるバイオ燃料の運航実証を実施したほか、同6月には日本郵船の外航船向けにバイオ燃料の運航実証を行うなど、船舶の代替燃料転換に向けた取り組みに注力している。

今回の取組は、取扱貨物量が国内最大の名古屋港において、三洋海事のタグボート向けに約3か月間にわたる継続的なバイオ燃料の供給トライアルを行う予定で、内航船向けに廃食油由来のバイオ燃料の有効性を検証していく。


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