【流 通】花王とPFN 「仮想人体生成モデル」を共同開発

花王とPreferred Networks(以下 PFN)は「仮想人体生成モデル」のプロトタイプを共同開発した。今後は協業する複数の事業者とともに、モデルの実用化に向けた検証を行う。 さらに花王はPFNの協力のもと、モデルをAPI(※1)経由で提供する、新規デジタルプラットフォーム事業の開始に向けて準備を進める。

「仮想人体生成モデル」は健康診断などで得られる身体に関する項目から、ライフスタイル(食事、運動、睡眠など)や性格傾向、嗜好性、ストレス状態、月経などの日常生活において関心の高い項目まで、幅広く多種多様な1,600以上の項目を網羅的に備え、これらがどのようなパターンで現れるのかを統計モデル(※2)として示すことができる。ある項目のデータを入力すると、別の項目の推定データを出力することが可能で、入出力する項目は備えられたすべての項目から自由に設定することができる。

モデルの開発にあたり、数十から数百項目の雑多なデータセットを複数組み合わせ、ひとつの巨大なデータセットとして訓練を行なった。このアプローチはデータセット間の質の異なりや巨大な欠損部分の取り扱いが課題となり、PFNが独自の試行錯誤を重ねた結果、一定の予測精度を保ったまま、今までにない多種多様な項目の推定が可能になった。 


※1 API(Application Programming Interface) ソフトウェアの機能を外部に向けて公開することにより、他のアプリケーションと連携できるようにする仕組み

※2 データから相関関係などの統計情報を抽出し、それをもとに推論を行なうシステムの一種


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