【流 通】NTTデータ経営研究所など 陸上養殖事業化支援を開始

NTTデータ経営研究所、NTTグリーン&フード株とIMTエンジニアリングの3社(以下、当グループ)は、陸上養殖事業への参入を検討、または実施する企業・自治体などを対象とした陸上養殖事業化支援を、2026年7月1日に開始した。

近年の海洋環境の変化に伴う漁獲量の変動や、地域の少子高齢化及び労働環境の厳しさによる漁業従事者の減少などにより、水産業の存続と水産物の安定供給が大きな課題となっている。

こうした中、陸上養殖は環境変動の影響を受けにくく、安定的な生産が可能な手法として注目されている。また政府の「日本成長戦略本部」による「総合経済対策に盛り込むべき重点施策17分野」にフードテック・陸上養殖が記載されたことなどを背景に、今後、企業や自治体による陸上養殖分野への投資拡大が見込まれている。

しかしながら現状の陸上養殖では、初期コスト・運用コストの目安や妥当性を判断する基準がないことから、財務面が大きな参入障壁となっている。また従来の「獲る」水産業とは事業モデルや投資構造が大きく異なるため、参入企業の多くを占める非水産分野のプレイヤーにとっては、事業性評価や運用設計に関する知見が十分に蓄積されていない。

このような現状を踏まえ、陸上養殖に取り組む事業者が、投資回収の妥当性を含めた事業可能性を見極めるには、実運用に裏付けられたノウハウが必要となる。

3社は2024年より、静岡県磐田市における国内最大級のシロアシエビ(バナメイエビ)の養殖のほか、トラフグ、ヒラメ、サーモンなどの複数魚種の陸上養殖事業を営んでおり、RAS(閉鎖循環式陸上養殖システム)、バイオフロック、かけ流しといった多様な養殖方式を地域の環境や特色に合わせて、全国に展開している。また既存の陸上養殖設備を事業継承し、養殖事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)も推進している。

これらの事業では、小規模のフィジビリティ・スタディを通じて、技術面、財務面、運用面の課題を丁寧に洗い出し、ICT(情報通信技術)を活用した実践データから事業規模を拡大する際の知見を蓄積することによって、事業拡大と安定的な養殖オペレーションを実現してきた。

一方で陸上養殖事業への参入を検討する企業・自治体等が増加する中、魚種選定、養殖方式の選択、事業採算性の評価など、事業化に向けた課題が参入障壁になっている。

3社は複数魚種・複数方式の陸上養殖事業を自ら運営する中で培った実践的な知見と、IoT(Internet of Things)を活用したデータ活用技術やAI(人工知能)による業務分析技術を組み合わせ、陸上養殖設備の立ち上げから運営までを支援する。さらに、地域のニーズや特色に合わせた魚種選定や未利用資源・特産品を含む地域資源をフルに活用した生産方法も提案していく。


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