【環 境】電力中央研究所など 一般水力発電の調整力強化に向けた技術開発に着手

電力中央研究所、東芝エネルギーシステム、早稲田大学と信州大学は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下 NEDO)が公募した、国内初となる一般水力発電の調整力強化に向けた「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業」に応募し採択されたため、技術開発に着手した。

太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力の需給バランスを維持するための「調整力」として重要な役割を担ってきた火力発電の割合は、相対的に低くなっている。こうした状況において、火力発電と同じく同期発電機である水力発電にはよりいっそうの期待が寄せられている。

電力の需要と供給のバランスを維持するために、火力発電の出力や環境価値の高い再生可能エネルギーの出力を増減させるなどの調整力が必要となるが、一般水力発電が新たに調整力を発揮することにより、燃料費や再生可能エネルギーの出力制御量、CO2排出量といった社会コストの大幅な低減が見込まれる。

電力中央研究所は2024年6月から2025年5月にかけて、NEDOの「電源の統合コスト低減に向けた電力システムの柔軟性確保・最適化のための技術開発事業」を受託し、水力発電の柔軟性向上に関する調査を実施した。

この調査の結果、一般水力発電で新たな調整力を強化するには、溢水(読み:いっすい ※)と発電に用いられない無効放流量の増加に伴う発電量減少に起因する収益減と、振動などの水車各部への負担増加による劣化の問題を、技術開発により解決する必要があることを明らかにした。

これまでの調査結果を踏まえて、水力発電の柔軟性を向上させるための課題を整理し、中小型水車の標準設計に向けた設計・解析支援技術や、大型水車の極低負荷運転時の水車評価手法と最適運用・制御システムの開発などに取り組む。


※ 溢水

水力発電所で発電に使いきれなかった水が水槽や調整池から流出する状態。放水口や下流河川の水位上昇をもたらす


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