【知 識】物流コンソーシアムbaton 企業横断型中継輸送の実証を26年2月開始

物流コンソーシアムbaton(以下 baton)は2026年2月より、国内初となる複数の特積事業者による中継輸送の実証運行を開始し、将来的には企業横断型の中継輸送の社会実装を通じた長時間運転の軽減や日帰り運行の実現等、物流業界における、効率的で持続可能な物流の構築を目指す。

物流業界では2024年4月に施行された働き方改革関連法によるトラックドライバーの労働時間の上限規制を踏まえ長距離・長時間運行の見直しが行われているが、同時に人手不足による輸送力の低下への対応が喫緊の課題となっている。

こうした中、batonは2024年11月に発足以来、物流需給ギャップの解消策の一つとして「企業横断型中継輸送」(ドライバー交替方式 *2)に着目し、社会実装に向けて企業や業界の垣根を超えて連携を進め、検討を重ねてきた。

batonでは参画運送事業者が保有する約13,000便に及ぶ輸送ルート・積載率・運行時間帯・曜日等のデータを集約・分析し、全国の幹線ルートにおいて中継輸送を導入することでより効率的な物流を実現できる路線を選定した。

複数の物流事業者運行データの横断的な収集・分析は、国内初の試みで、分析結果および実際のオペレーションの調査等を通じて得られた知見を踏まえ、中継輸送時の各種ガイドラインを策定しており、実証運行を通じて社会実装に向けた課題の洗い出しと検証を実施する。

実証運行の検証を経て、対象路線の拡大を検討するとともに、中継輸送用の共通データベース、複数の輸送便を組み合わせるアルゴリズムや各事業者が使用できるアプリケーションの開発を検討し、社会実装を目指す。batonへの参画企業の拡大も検討していく。

また、中継輸送に次ぐ取り組み領域として、ドライバーの労務環境や健康状態の改善を通じ、効率的で持続可能な物流の構築を目指す。これらの実現に向けて、4つの分科会活動を本格的に稼働させ、企業や業界を超えた価値共創に取り組んでいく。


※ ドライバー交替方式

トラックは変更せず、中継拠点でドライバーが交替する方式。トレーラー・トラクター方式と異なり牽引免許等は不要である点や、貨物積み替え方式と異なり中継拠点での作業が短時間で済む点が利点


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