【環 境】三井住友建設 サスティナブルな地盤改良材を既存杭撤去後の埋戻しに初適用
三井住友建設は産業副産物を活用した地盤改良材「サスティンGeo」を、都内の大規模再開発事業で、既存杭撤去後の杭孔の埋戻しに初めて適用した。深度約15mの杭孔を対象とし、従来材料を使用した場合と比較して、約8割のCO2排出量削減を実現した。
地盤改良に使用されるセメント系固化材は、CO2排出量が多く、土の種類によって六価クロムを溶出することがある。「サスティンGeo」は、セメントを使用せずに産業副産物を活用することで、これらの問題を解決する環境負荷を低減したサスティナブルな地盤改良材である。
構造物の解体後に地中に残された既存杭は、新たな構造物の建設の際に障害となる場合は撤去が必要である。既存杭撤去により生じる杭孔の埋戻しには、現場の施工条件や要求される強度に応じて、土や砂、セメントミルクなどの埋戻し材料を選定する。また既存杭撤去時には、杭孔の崩壊を防ぐためにベントナイト液などの安定液を使用して孔壁を保護する。
今回、フライヤーNALT工法(※)による既存杭撤去後の杭孔の埋戻しにおいて、固化材として「サスティンGeo」を使用し、直径約1.8m、深度約15mの杭孔9箇所の埋戻しを行った。
「サスティンGeo」は従来材料(高炉セメントB種)と比較して、CO2排出量が少なく、さらに少ない使用量で要求された強度を得られたことから、今回は同一体積の杭孔の埋戻しに伴うCO2排出量において約8割の削減効果が得られた。
「サスティンGeo」は、配合により様々な地盤改良に対応可能である。今回は、浅層改良を対象とする粉体混合方式および場所打ち杭工事で生じる掘削土の改良に続き、深度約15mの杭孔の埋戻しに初適用した。今後も様々な地盤改良工法への適用に向けた検討を進め、適用範囲の拡大を図る。
※ フライヤーNALT工法
横浜ライト工業株式会社の保有技術で、杭孔の埋戻し時に孔内で泥水、ベントナイト液および固化材を循環・攪拌する工法
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