【アジア】東芝デジタルソリューションズ マレーシアのスマート農業プロジェクト参画

東芝デジタルソリューションズはマレーシアのMyDIGITAL、MADA(※)と、MADAが進めるマレーシア最大級のスマート農業プロジェクトにおいて、「気象データサービス」の活用可能性を検証する協業検討に関する覚書を締結した。

近年、日本ではゲリラ豪雨とも呼ばれる予測困難な局地的な大雨が増加傾向にあるが、マレーシアでもスコールと呼ばれる局地的な大雨が多発し、また季節風(モンスーン)の影響による長雨により、さまざまな被害をもたらしている。これらの気象現象による被害を最小限に抑えるため、短時間かつ高精度に局地的な大雨の発生を予測する技術が求められている。

東芝デジタルソリューションズは2023年5月、日本国内向けに気象レーダから受信した観測データを東芝独自の解析手法で解析し、局地的大雨の兆候や雨量を高精度に予測する「気象データサービス」の提供を開始した。さらに2024年2月には、マレーシア・デジタル省傘下の政府機関MyDIGITALと「気象データサービス」のマレーシアでの活用可能性を検討する協業覚書を締結し、降雨予測技術の海外展開の検討を進めてきた。

今回締結した覚書では、MADAが進める稲作のスマート農業プロジェクトにおいて、東芝デジタルソリューションズの局地的大雨の予測データを活用した実証実験を実施し、その有効性を検証していくことに合意した。具体的には、マレーシア気象局が持つ気象レーダのデータを当社がリアルタイムに解析することで、局地的大雨の兆候や雨量のデータを生成し、MADAへ状況に応じて、アラートを出す。MADAはデータをもとに、水門の開閉制御により水田への水の流入・流出を制御するなど、稲作への降雨被害軽減へつなげいく。

今後MADAと東芝デジタルソリューションズは、MyDIGITALの主導の下、実証実験に向けた準備を進め、農業分野、特に稲作での当社の気象データサービスの活用可能性の検証を進める。


※ MADA (Muda Agricultural Development Authority)

マレーシア農業食糧安全省の傘下機関として1972年に設立された政府機関。マレーシア北部のMuda地域の米の生産性の向上、農業従事者の暮らしの向上や地域経済の発展と社会進出を図ることを目的に、マレーシア最大の農業開発プロジェクトを推進している。現在マレーシア政府からのファンドを活用して、主要な水田地帯であるMuda地域の稲作産業全体をデジタル技術で支え、スマート農業の実現を目指すプロジェクトを展開している


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