【流 通】富士通など ミリ波レーダを活用した高齢者見守りの実証実験を実施
富士通、富士通ネットワークソリューションズ(以下 FNETS)と金沢ケーブルは、カメラを使わずミリ波(※)レーダを活用することで、プライバシーを保護しながら高度な見守りを実現する、富士通の「Fujitsu ミリ波レーダ見守りシステム」を活用し、仮設住宅の居室内における居住者の在室や不在、転倒や特定の位置に長時間滞在している状態などの異常事態の検出について、能登半島地震に伴い建設された仮設住宅で実証実験を行い、有効性を確認した。
近年、激甚化する自然災害などによる予期せぬ事態が常態化しており、長期に渡って仮設住宅で避難生活を余儀なくされるケースが増加している。そうした生活では独居高齢者の安否確認や入居の長期化に伴う健康面やプライバシーの確保が重要になっており、それらを解消するための巡回や訪問の人手不足が深刻な社会課題となっている。3社は、これらの課題解決に向けて、石川県能登町協力のもと、仮設住宅の居室内にミリ波レーダ装置を設置し、家具などの障害物がある環境下で、ミリ波による見守りについて検証を行った。
実証実験では、居室内の寝室として利用される洋室の床面から1.8メートルの場所にミリ波レーダ装置を設置し、居住者の位置を点群データとして捉え、リアルタイムにクラウドへ転送し「ミリ波レーダ見守りシステム」に搭載された富士通独自のAIで分析した。これにより、居住者の在室・不在、居室内での滞在位置や行動量をヒートマップや時間別のグラフデータとして可視化するとともに、転倒などの異常事態をAIで検知する検証を行った。その結果、介護施設や商業施設などとは建材が異なる仮設住宅においても同程度の性能で居住者の状態を検知でき、居住者へヒアリングした実際の状況とも差異が無いことを確認した。
今後、FNETSと⾦沢ケーブルは実証結果を踏まえて、⽯川県内での独居⾼齢者の安否確認対策など、地域が抱える様々な課題解決に向けて検討し、ビジネス創出を⾏っていく。
※ ミリ波
ミリ波とは30GHz帯から300GHz帯の電磁波を指す。「ミリ波レーダ⾒守りシステム」では60/79GHzを使⽤。レーダで感知するため照度の影響は受けず、暗所でも利⽤でき、個⼈情報を収集しないなどの特⻑がある
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