【環 境】竹中工務店と那須電機鉄工 安全に貯蔵・運搬できる小型軽量の水素タンクを開発

竹中工務店と那須電機鉄工は水素発電技術の適用拡大に向け、水素ガスを安全に貯蔵・運搬できる小型軽量タンクを共同開発した。水素ガスを数百~千分の1程度の体積でコンパクトに貯蔵できる「ナノ化鉄チタン水素吸蔵合金」を採用し、直径140mm、高さ606mm、重量29kgと一般的な水素タンクに比べて小型軽量なサイズを実現したのが特長。これにより、比較的容易に運搬することができるようになった。

現在一般的に使用されている水素タンクは、約150気圧の高圧水素ガスを充填されており、高圧ガス保安法などの法令に基づき、有資格者による取り扱いが求められる。また重量も50~60kg程度と重く、専門業者による運搬が必要となる。一方、今回開発されたタンクはナノ化鉄チタン水素吸蔵合金を用いて水素を貯蔵する。この合金は火炎を近づけても着火しないため、危険物に該当せず、特別な資格がなくても安全に扱うことができる。

両社による開発品はタンク内部に効率的な熱交換構造を採用することで、タンク小型化による水素吐出量低下を克服し、燃料電池による安定的な発電のための水素供給を可能とした。水素は燃焼時にCO2を排出しないことから、カーボンニュートラルなエネルギーとして注目されているが、安全かつ効率的に貯蔵・運搬するための供給体制に課題があった。今回の開発品はこうした課題を解消する小型軽量のサイズで、水素燃料の流通促進・適用拡大が期待できる。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です