【流 通】早稲田大学等 研究開発ポートフォリオ硬直性とイノベーションの関係を解明

早稲田大学商学学術院の清水洋教授、ウィスコンシン大学の山口翔太郎アシスタント・プロフェッサーらの研究グループは、研究開発のポートフォリオを測り、硬直性を測ることで硬直性が高まると、研究開発が生み出す特許の量は多くなるものの、その質が低下してくることを明らかにした。この結果は高齢化した企業ほど、経営資源の柔軟な組み換えが戦略的に必要になることを強く示唆する。この研究はアメリカ企業を対象にしたものですが、日本企業でも同じ傾向が観察された。

企業は加齢するとパフォーマンスが低下するとされてきたが、これまでの研究では、加齢すると企業は硬直化するからだと考えられてきたが、その硬直化の程度は測られてはいなかった。

今回の研究では企業の研究開発ポートフォリオを用いて、その硬直性を測定した。その結果、企業の研究開発ポートフォリオが硬直化すると発明の質が低下する一方、発明の量は多くなることが観察された。これは、同じ技術分野への持続的な焦点がイノベーションを低下させるという結果で、企業が高齢化すると研究開発の柔軟性を上げることが、より高品質なイノベーション成果を生み出すための重要な戦略的なポイントであることを強く示唆している。


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