【環 境】川崎汽船 立教大学と船上CO2回収システムに関するプロジェクト開始
川崎汽船は立教学院と"未来海洋環境調和型材料の社会実装"をテーマとした寄附型研究プロジェクト事業契約を締結した。
研究プロジェクトは産学連携に伴う協働効果の獲得を目指して、立教大学内に川崎汽船「先進技術未来環境プロジェクト研究室」を設置し、立教大学理学部化学科の箕浦真生教授が率いる研究グループと共に、多孔質材料の一種である「MOF」(※1)の分子技術を活用した船上CO2回収システムの構築検討を進める。
川崎汽船は液化CO2船の運航をはじめとする、脱炭素社会の実現に向けた様々な取り組みを進めている。その一つとして、船舶から排出されるCO2を船上で分離、回収、貯蔵、最終的には陸揚げするOCCS(※2)に関する技術の検討を行っており、2021年には、当時世界初の船上CO2回収装置の実証実験である"CC-OCEAN"プロジェクトにおいて、排ガスからのCO2の分離・回収に成功した。今回の研究プロジェクトでは、同社のOCCS分野における技術領域を拡大すべく、船舶の排ガス中のCO2を対象としたMOFの吸脱着性能評価を通して、MOFの船上CO2回収システムとしての適用実現性を明らかにし、今後の技術開発と実装を目指した検討を行う。
※1 MOF(Metal-organic Frameworks)
有機配位子と金属イオンから構成され、有機金属構造体とも呼ばれる配位性高分子の総称。マイクロ孔と呼ばれる非常に小さな細孔を有しており、MOFを構成する有機配位子と金属イオンの組み合わせ次第で任意の気体を吸着・分離させることが可能であるため、様々な気体の吸着・貯蔵材料としての応用が期待されている
※2 OCCS
(Onboard Carbon Capture and Storage)
船舶の排ガス中のCO2を船上で回収・貯蔵する技術で、陸揚げ後は貯留または、産業利用される
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