【アジア】奥村組 台湾で稼働中のシールドマシンを大阪から遠隔運転に成功

奥村組と奥村機械製作は、台湾の新竹市で施工中のシールド工事において、シールドマシンに遠隔操作システムを導入し、約1,800km離れた奥村機械製作の本社オフィス(大阪市)から掘削、推進および排土の主要な運転を行えることを確認した。

このシステムを導入することで、熟練オペレーターは各現場に常駐する必要がなくなったり、複数現場の兼務が可能となったりすることが期待できるため、深刻化する熟練オペレーター不足に対応することができる。

大阪市内にある奥村機械製作本社オフィスに遠隔操作PCを設置し、インターネット経由で台湾の新竹市で施工中であった台湾科学園区発注の宝山シールド工事(泥土圧シールド工法、φ4,530mm、延長2,813m、2024年12月10日に掘削完了)のシールドマシン制御用コンピューターに接続した結果、遠隔操作信号を送信してからのタイムラグが1秒以内で、シールド工法における主要な施工装備である掘削機構、推進機構、排土機構を問題なく操作できることを確認した。

また、システムの通信における信頼性を確認するため、意図的にインターネット接続を遮断、復旧する試験を実施し、通信が復旧した後は、遅滞なくシステムが自動接続し、遠隔操作が再開できることを確認した。

シールドトンネルの掘進に用いるシールドマシンは、専門知識と操作方法を熟知した専門のオペレーターが現地で運転操作を行う一方で、日本と台湾では、いずれも技能労働者の高齢化や入職者の減少などにより熟練オペレーター不足が深刻化している。そこで、奥村組と奥村機械製作は、国内、国外を問わず、シールドマシンを遠隔地から運転できるシステムの開発に着手した。

同システムは、遠隔地のPCからインターネット経由でシールドマシンの制御用コンピューターに接続し、遠隔運転する。これまでも主に泥水式シールド工法については、工事ヤード内の少し離れた場所にある中央管理室と専用通信ケーブルで接続して操作することはできた。今回開発したシステムでは、インターネットに接続できる環境であれば、例えば日本国外であっても、シールドマシンを操作することが可能となった。


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