【環 境】奥村組・神鋼商事・室蘭工大 木質系バイオマス燃焼灰の活用で共同研究

奥村組、神鋼商事と室蘭工業大学は、樹木の伐採時に発生した枝、葉などの林地残材などの木材からなる「再生可能な、生物由来の有機性資源(化石燃料は除く)」である木質バイオマス発電所から発生する木質系バイオマス燃焼灰(以下、燃焼灰)の有効活用に向けた共同研究を開始した。

燃焼灰の多くは産業廃棄物として処分されているが、元々植物由来であり環境に優しいことから、有効に活用することが期待されている。畜産業に甚大な被害をもたらす鳥インフルエンザや豚熱等の伝染性疾病への対策には、強アルカリ性で、高い消毒効果を有する消石灰が消毒剤として一般的に使用されている。燃焼灰も水に濡れると消石灰と同様に強アルカリ性を示すことに着目し、消石灰の代替材としての有効活用を目指した研究を始めることとした。

共同研究では、奥村組が出資する石狩バイオマス発電所で発生した燃焼灰について、消毒効果の有無、効果発現までの時間、持続性等を確認・評価し、家畜伝染性疾病予防用資材としての可能性を検討する。

室蘭工業大学大学院工学研究科 山中真也教授(界面・化学工学研究室)は、これまで農研機構・生研支援センター委託事業のイノベーション強化創出研究推進事業「口蹄疫・鳥インフルエンザ等家畜伝染病防疫のための多機能粒状消石灰の実用化」等で消石灰の消毒効果に関する研究実績を有しており、今回の共同研究においても過去に得られた消毒効果に関する知見を提供する。

神鋼商事は、石狩バイオマス発電所で使用する木質バイオマス燃料の供給を担当しており、燃焼灰の消毒材としての商品化と販売について協力する。


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