【知 識】伊藤忠商事 米国の自動運転トラック物流サービスプロバイダーに出資

伊藤忠商事は、商用車の自動運転技術開発および自動運転車両を用いた物流サービスを米国・カナダで展開するGatikに出資した。

米国では、e-commerceの拡大に伴う物流量の急増、ドライバーコストの増加やドライバー不足の顕在化など、物流問題が社会課題の一つになっている。このような状況下での自動運転に対するニーズの高まりは、米国における自動運転技術を進歩させ、自動運転タクシーの商用化など、世界に先駆けて自動運転ビジネスが急速に進展している。

Gatikは自動運転のソフトウェアならず、自動運転車両の全体設計や、試験評価に関するノウハウを有し、既に公道(高速道路並びに一般道路)でのL4商用運行(※)にも2021年に成功している。特に「ミドルマイル領域」と呼ばれる物流セグメントにおいて、荷主の中間倉庫間、および倉庫と店舗間で、自動運転車両による物流サービスの提供を行っており、米国初の唯一のプレイヤーです。Gatikは自動運転バリューチェーン全体の中で、求められる様々な機能を構築していくことで、物流業界全体が抱える課題の解決に取り組むと同時に、商用車を活用した自動運転ビジネスの拡大に努める。

伊藤忠商事は経営方針「The Brand-new Deal〜利は川下にあり〜」を掲げ、川下を起点とした成長投資を加速し、事業領域を拡大している。また米国の自動車分野では、従前より車両・部品の物流事業、ファイナンス事業、小売事業を展開し、川下領域の機能強化に取り組んできた。今回の資本提携を通じて、米国で取り組む商用車の卸売・販売金融事業などとのシナジーの創出など、川下領域でのバリューチェーンの拡大を図ると共に、米国以外の他地域でも、自動運転車両による物流サービスの可能性を追求することで、持続可能な物流の実現に向けて邁進する。


※ L4商用運行

限定された条件下においてすべての運転操作がシステムによって自動化される運転自動化レベル4を活用し、顧客にサービスを提供する商用化を実現した運行を指す


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です