【知 識】塩野義製薬と大阪大学 コロナ罹患後症状に関する共同研究講座を設立

塩野義製薬と大阪大学は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患後症状に対する予防法の確立を目指して、大阪大学大学院医学系研究科に共同研究講座(講座名:罹患後症状治療学共同研究講座)を設置した。

COVID-19の感染者の中には、倦怠感、呼吸困難、脱毛、集中力低下などの罹患後症状、いわゆる「コロナ後遺症」を経験する人が多く、日本を含むグローバルで大きな課題となっている。しかし罹患後症状の治療法や予防法は未だ確立していない。COVID-19治療薬エンシトレルビル フマル酸の第2/3相臨床試験(SCORPIO-SR試験)では、同薬により罹患後症状の発現を抑制する可能性が示された。しかし治療法や予防法の確立に向けては、さらなるデータの蓄積が求められている。

そこで塩野義製薬が社会課題を解決し得る可能性を持つ治療薬を、そして大阪大学が専門知識を持つ人材や医療体制をそれぞれ提供し、産学が連携して迅速に研究を推進させるため、その拠点として新たな共同研究講座を設置した。この共同研究講座ではCOVID-19の罹患後症状に対するエンシトレルビルの有効性と安全性を評価する臨床研究を実施する。臨床研究はCOVID-19患者2,000名を対象に、エンシトレルビルを1日1回、5日間経口投与した際の罹患後症状の発症抑制と安全性を評価する無作為化プラセボ対照二重盲検比較試験として実施される。


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