【知 識】滋賀県大津市と凸版印刷 高齢者保健医療データ分析で連携
滋賀県大津市と凸版印刷は、自治体保健事業に活用するデータ分析を高齢者の健康増進・疾病予防に役立てることを目的として連携協定を締結した。
大津市と凸版印刷は2021(令和3)年11月より、データサイエンスの手法を用いた分析により、データ処理・分析・活用および、それに用いる各種ツールの実証実験を推進してきた。今回締結した協定により、新たに地域ごとのデータの可視化と、ヒアリング等による定性的な分析を実施することで、地域特性・地域課題を踏まえた分析を行い、高齢者サービスにおけるデータを活用した課題把握や地域に寄り添った事業立案につなげていく。
高齢化率が27.6%である大津市は、超高齢化をむかえ、高齢者の疾病予防や生活習慣の啓発が急務となっている。自治体の共通課題である医療費適正化と健康寿命の延伸の観点から、令和2年度より厚生労働省から制度化された「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施(※)」への取り組みを積極的に行っている。
一方凸版印刷は、ヘルスケアデータの取り扱い事業者として培った、保健医療領域の専門性とデジタルテクノロジーを活用し、事業の検証や評価を行っている。2022(令和4)年に行った、大津市と凸版印刷によるデータ分析の実証実験では、口腔機能の改善・維持を目的とする口腔機能低下予防事業の一環で、低栄養・口腔機能などの質問票の回答状況の推移結果を地図やグラフで可視化することで、指導や支援を行う際の地域優先度を付けられるよう、これまでの蓄積された様々なデータを集約、分析した。
データ分析の実証実験を経て、大津市と凸版印刷は協定を締結し、大津市の後期高齢者の保健医療データを凸版印刷で分析。今まで数値化できていなかった大津市ならではの地域ブロックごとの課題を可視化し、次年度の新たな保健事業を両者で立案検討していく。
今後、両者は協定により、各地域ブロックの詳細把握とテーマを現状分析し、高齢者の健康寿命の延伸と働き世代への具体的な予防啓発による医療費適正化を目指す。また今後も地域特性をふまえた市民に寄り添うサービスを開発し、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。
※ 「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」
後期高齢者の医療保険者である後期高齢者医療広域連合と市町村が協力して、後期高齢者の健康維持・フレイル予防に努める新たな仕組み
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