【流 通】奥村組とコアシステムジャパン 下水道内部の水位モニタリングシステム開発

奥村組とコアシステムジャパン(※1)は、下水道管路の老朽化対策や局所的な豪雨などによる内水氾濫(※2)の軽減を目的に、管路内部の水位データを広域かつ効率的に取得・管理できるモニタリングシステムを開発した。

近年、下水道管路の老朽化による機能不全や、局所的な豪雨による内水氾濫のリスクが高まっている。これには水位モニタリングによる予防保全型対策が有効だが、モニタリングに必要な計測機器は高額で、数多く設置するには多大なコストを要することなどから、広域にわたってモニタリングしている事例は存在しない。

また、管路が老朽化で損傷すると管路内に地下水等(不明水)が浸入し、下水の処理量が増加するため、処理施設の排水能力を超えてしまうおそれがあり、管路の補修などの対策を適切に行うことが求められている。不明水の浸入場所を特定するには降雨時に複数箇所での水位測定をする必要があり、その場合、既設の水位計を別の位置に設置し直して測定しているため、撤去・設置に多大な労力を要していた。

今回開発されたモニタリングシステムは、センサ技術、通信技術と水位計の固定治具の3項目を工夫することにより、省電力・高耐久・機器設置の簡便性を実現した。これにより効率的でコストを抑えた下水道管路内部のモニタリングシステムを確立した。


※1 コアシステムジャパン

創価大学理工学部の研究成果である「ヘテロコア光ファイバセンサ技術」を多方面で社会実装する目的で設立されたベンチャー企業。創価大学はヘテロコア光ファイバセンサの開発・改良、品質評価等を担っている

※2 内水氾濫

下水道等の排水能力を超える降雨時や、排水先の河川水位が高くなった時などに、雨水が排水できなくなり浸水する現象


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