【知 識】帯広ガスとエア・ウォーター 都市ガスに家畜ふん尿由来のLBM活用の実証

帯広ガスとエア・ウォーターは、北海道十勝地方の未利用バイオマスである家畜ふん尿から製造した液化バイオメタン(以下 LBM ※1)を、帯広ガス供給区域内の都市ガスとして利用する実証を行った。

実証ではエア・ウォーターが環境省に採択され事業化を推進するLBMの技術開発・実証事業(※2)の下、帯広ガスの都市ガス供給区域内において、北海道十勝地方で家畜ふん尿から製造されたLBMを都市ガスの原料であるLNGの代替燃料として約5tを添加した。都市ガスを利用している個人向けでLBMを供給することは国内で初めて(※3)。

なおLBMは、バイオガスをメタンと二酸化炭素に分離し、そのメタンを液化したものであり、LNGの主成分であるメタンと同一であることから、既存の供給システムをそのまま活用することができる。今回の実証でも、帯広ガスが使用するタンクローリーや加圧機といった輸送や消費に関わる機器に影響を及ぼさないことも確認した。

今後、両社は実用化に向けて、使用量やコストなどの課題を検討するとともに、互いの知見を生かし、酪農家や地域社会と連携しながら、エネルギーの低炭素化に貢献する。


※ LBM (Liquefied Bio Methane)

酪農家が保有するバイオガスプラントから発生した未利用バイオガスを回収した後、その主成分であるメタンを分離・精製し、約-160℃で液化したものです。メタンは液化することにより容積を1/600に圧縮できるため、一度に大量のメタンを輸送することが可能になる。また家畜糞尿が原料のため、カーボンニュートラルな国産エネルギーでもある


※2 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業「未利用バイオガスを活用した液化バイオメタン地域サプライチェーンモデル

※3 エア・ウォーター調べ(2023年8月現在) 今回の実証事業でエア・ウォーターが国内で唯一LBMを製造していることから、都市ガスとしての利用も国内初の事例となる


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