【流 通】住友林業と信越化学工業 耐火合板「耐火-ガイナー」を開発・発売

住友林業は信越化学工業と共同で、タブレット状の薬剤を充填して耐火性を持たせた合板「耐火‐ガイナー」を開発し、2023年9月1日に発売した。合板の形状を住友林業が、シロキサン化合物(※)と難燃剤からなるタブレット状の薬剤開発を信越化学工業が担当した。

「耐火-ガイナー」を柱・梁等への被覆材として活用する場合、集成材工場等で被覆し現場への納品が可能で、建て方後の現場作業が不要となり工期の短縮が見込まれる。脱炭素の観点から石膏ボード等の無機系耐火被覆材を木質部材の「耐火‐ガイナー」で代替し、中大規模建築物への木材使用量を拡大、環境負荷低減を目指す。

「耐火-ガイナー」はタブレット状の難燃薬剤を、24mm国産材合板の表裏両面から一定間隔で所定の深さの孔(直径10mm、深さ15mm)に埋め込み耐火性能を持たせている。住友林業が国産材活用の観点で販売中のガイナーシリーズの一つとして商品化した。

「耐火-ガイナー」は薬剤をタブレット状にして形状を維持しており基本サイズからの大きさ変更などは一般的な木工機械で加工できる。加圧注入等による難燃薬剤処理時に不可欠の薬剤充填後の乾燥工程が不要で、製造時の環境負荷を低減でき、納期の短縮、コスト削減にも繋がる。万一の火災時は難燃薬剤がガラス化して強固な炭化層を形成し、周辺への火の粉の飛散リスクを軽減する。

住友林業は「耐火‐ガイナー」を柱、梁に被覆し(24mm×2層)、1時間耐火構造で国土交通大臣認定を取得した。今後、床や壁への耐火被覆層としての用途範囲の拡大、大臣認定取得も視野に、「耐火-ガイナー」の拡販を推進する。


※ シロキサン化合物

ケイ素‐酸素‐ケイ素(Si-O-Si)のシロキサン結合を有する化合物で電気・電子、自動車、建築、化粧品、ヘルスケア、化学など、さまざまな産業分野に利用されている


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