【流 通】あいおいニッセイ同和損保など 洪水による浸水被害範囲推定の実証実験

あいおいニッセイ同和損害保険とMS&ADインターリスク総研は、火災保険事故データとJX通信社が収集・分析するSNSビッグデータを活用し、洪水発生時における浸水範囲の予測アルゴリズムを開発した。

三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険(以下 両社)は、このアルゴリズムに三井住友海上火災保険が有する浸水範囲の予測を高精度化する手法を組み合わせ、被災地域や被害に遭われた可能性がある顧客の早期特定に向けた実証実験を実施した。

近年、台風やゲリラ豪雨による洪水の頻発化に伴い、建物や車両等の浸水被害が増加している。洪水が発生した際、両社は各種報道等を参考に被災地域を特定し、損害調査に必要な人員を地域ごとに配置しているが、発災直後は情報が不足し、効果的な人員配置に必要な詳細な被害状況の把握に一定の時間を要していた。そこで両社は、洪水による浸水被害地域の迅速な特定を目指し、今回開発した予測アルゴリズムの有効性についてさらなる検証をするために、実証実験を開始した。

MS&ADインターリスク総研は、JX通信社の洪水被害に関するSNS情報をリアルタイムで活用し、洪水被害が発生した可能性のある地域を最短3時間で特定する。両社はその情報をもとに被害に遭われた可能性がある顧客を速やかに特定し、損害調査の迅速化・効率化を目指す。また三井住友海上火災保険が有する実際の浸水高データにより浸水範囲の予測を補正・高精度化するアルゴリズムを活用し、SNSを活用した推定浸水範囲のさらなる精度向上について検証する。

今後、実証実験の結果を踏まえ、両社は被害に遭われた可能性がある顧客へ保険金請求を促すなど、保険金支払部門等でSNSを活用した推定浸水範囲情報を活用する。また、MS&ADインターリスク総研は、自治体における災害対応や企業の事業継続対応に活用できる新たなサービスメニューを開発し、両社とともに2024年4月以降の本格的な展開を目指す。


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