【物 流】富士通 ダンボール破損レベル判定統一化のため飲料・コンビニ大手と共同実証

富士通は飲料大手のキリンビバレッジ、コカ・コーラボトラーズジャパン、サントリー食品インターナショナルとコンビニ大手のセブン-イレブン・ジャパンとともに、富士通が開発したAIシステムを活用し、商品外装ダンボールの破損レベル判定の統一化に向けた共同実証実験を本格的に開始する。

現在の清涼飲料業界や流通業界では、商品の輸送や保管中に輸送資材であるダンボールに軽微な擦れやしわの他、膨れなどがみられた場合は中身の品質にかかわらず、ダンボールの外観の状態で納品の可否の判断を各社の倉庫毎に目視で行ってきた。しかし、この納品の可否判断は飲料メーカー、流通業ともに共通の基準がないため、判断にばらつきが生じているというのが現状である。そのため、中身の品質に問題のない商品の返品や廃棄が発生しており、食品ロスが課題となっている。

今回、行われる共同実証実験は、これまではばらつきが生じていた納品可否の判断を「飲料配送研究会」の基準を使用した同社のAIシステムを用いることにより、客観的に判断する仕組みを飲料メーカー、流通業で共有することができる。これにより製造や配送、販売を担う各社で破損レベル判定の統一化を目指すこととしている。

富士通が開発したシステムを活用することによって、軽微な外装破損商品を流通させることで、商品廃棄の抑制や食品ロスの削減を目指す。また、荷受け時の検品時間や倉庫での返品作業の軽減も期待され、清涼飲料業界や流通業界が抱える物流課題の改善にも貢献していく。


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