【物　流】ＫＤＤＩ　自動運転車からのドローン離着陸に日本で初めて成功

ＫＤＤＩはアイサンテクノロジーと共同で、移動する自動運転車の位置に合わせてドローンを離着陸させ、ラストワンマイルの物流を行う実証実験に日本で初めて成功した。

２０３０年頃の日本では急速な人口減少に伴う労働力不足に伴い、特に中山間地域では公共交通機関の縮小や小売業者の減少など、生活必需品の入手を困難とする人の増加が予想される。これらの課題を解決する手段として、２社は都市部からの大規模な配送は自動運転車、陸上からの輸送が困難な経路ではドローンで配送を行うといった未来の荷物配送サービスの社会実装を目指す。

実証実験は、中山間地域で自動運転車とドローンを組み合わせて自動荷物配送を行うユースケースを想定し２０２３年３月２１日、長野県塩尻市の中山間地域で荷物を載せたドローンが自動運転車上から飛び立ち、同地域を飛行したのち、自動運転車上へ帰還するシナリオで実施した。また自動運転車がドローンを飛び立たせた場所から移動しなければならないケースや、ドローンが飛び立った自動運転車とは異なる自動運転車に帰還しなければならないケースなどを想定し自動運転車の走行とドローンの運航を統合管理する「協調制御プラットフォーム」や高精度位置測位を活用した。

ドローンにはセルラー通信と衛星通信の両方が利用可能な通信モジュールを搭載し、セルラー通信が利用できないエリアであっても衛星通信に切り替えることで、同プラットフォームとの接続性を保ったまま自動飛行を行えることを確認した。

今後は、複数台の自動運転車とドローンの協調制御を行う機能や、自動運転車やドローンが取得したカメラ映像や点群データを集約し、高精度な三次元地図の生成・更新、三次元地図基盤を活用したドローン飛行経路の自動生成機能といった、自動運転車とドローンを活用した自動荷物配送サービスの社会実装に向けた荷物配送計画から配送・帰還までをすべて自動で行えるよう同プラットフォームの機能の拡張を行っていく。

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