【環 境】三井化学とマイクロ波化学 炭素繊維製造技術に関する実証設備を導入

三井化学とマイクロ波化学は、両社で検討していた環境負荷の低い革新的な炭素繊維(CF)製造に関する基盤技術について、三井化学名古屋工場内に実証設備を新設することを決定した。

マイクロ波化学が有するCF焼成技術は、製造工程中で最もエネルギー消費の大きい耐炎化プロセスに加え、炭化プロセスの工程を一貫してマイクロ波により焼成する。今回、マイクロ波化学はこの技術を「Carbon-MX」と名付けた。実証設備導入において、マイクロ波化学は、「Carbon-MX」技術による焼成ラインの機器一式を三井化学に供給し、三井化学は当該技術を含む全体プロセスを構築する。実証設備完工以降は、両社共同で量産技術確立の検討を進める。

CF焼成技術は対象を内部から加熱できるマイクロ波の特性を生かすことにより、無駄な加熱を徹底的に排除した。従来法と比較し、加熱処理時間が大幅に短縮されるため、焼成プロセスのラインが短くなり、設備をコンパクトにすることができる。また装置自体の温度が高温にならないため、装置コスト、エネルギー消費、さらには安全面でもメリットが見込まれる。現時点の両社の見込みではエネルギー消費量が約50%削減され、将来的にマイクロ波を発生させるための電源を再生可能エネルギーに変更することで90%以上のCO2排出削減が期待できる。


・製品名および会社名などは、各社の商標または登録商標です