【流 通】日本とニュージーランド間で農業人材循環制度を開始

GREENCOLLARはニュージーランドで土地に縛られない農業を行うKNOWCHと協業する。GREENCOLLARこれまで自社の従業員を対象とし、日本とニュージーランドの2国間における季節ギャップを利用した農業人材循環制度を実施してきた。

両社は日本の生産閑散期に日本とは季節が逆のニュージーランドで生産活動を行うことで、効率的な技術習得、生産性の向上、グローバル農業人材の輩出を実現し、日本における農業従事者の減少、技術承継の断絶という課題を解決するとともに、日本の農業の国際競争力の強化を実現する。

日本の農業が抱える、若手農業従事者の減少、技術継承の断絶、国際競争力の低下、これらは相互に関連する課題となっている。2021年における農業経営者(果樹)の経営課題として挙げられるもののうち、最も多かったものは「労働力」で、73.7%の経営者がその課題を抱えている。また2020年における農業従事者のうち、39歳以下の割合はわずか4.9%である一方、65歳以上の割合は69.6%と、年々高齢化が進んでいる。(※)また果樹農家は年間の繁閑差が大きく、大人数の従業員を通年雇用することが困難であるため大規模化が進まず、効率化や競争力強化が遅れる一つの要因となっている。

これらの課題を解決するため、農業を魅力的な産業へ転換させること、効率的に技術継承を行うこと、海外の先進農業を習得することが重要となる。今回、日本とニュージーランドでの 2 拠点通年生産を行うGREENCOLLAR のニュージーランド圃場で、土地に縛られない農業を行うKNOWCHが2022年11月から生産活動を開始する。

GREENCOLLARの事業の核となる人材循環型の2拠点生産モデルでは、一人当たりの生産性が2倍になるだけではなく、効率的な技術習得やニュージーランドの先進農業の習得が可能となる。従来の農業は固定された土地で行うことが前提だが、KNOWCH は「土地に縛られない農業」をコンセプトに、つくりたいものを、つくりたい時期に、つくりたい場所で、より自由な働き方を選べる農業を行うこと、若者、スポーツ選手、週末農家などを積極的に受け入れ、農業へのタッチポイントを増やすことで、農業を魅力的な産業へと転換させる取り組みを行っている。

また、ニュージーランドの農業は環境への意識の高さとスマート農業の分野において世界をリードしており、効率的かつ環境共存型の先進的な農業を得意とする一方、日本は優れた品種と高い生産技術を有しており、高付加価値な農作物を生産することに長けている。

今回の農業人材循環制度により、ニュージーランドで習得した先進的な知見を日本で実践することで、日本の農業の発展に貢献することが可能となる一方、日本の高い技術力で生産された日本品種のぶどうをニュージーランドから世界へ輸出することで、ニュージーランドの輸出産業の発展にも貢献する。


※出典: 「2021年版農業法人白書」、「農業を担う人材の育成・確保に向けて(農林水産省 2021年)


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