【環 境】三井化学と帝人 プラスチックのバイオマス化製品の市場展開に向け取組開始

三井化学と帝人は、日本初となるバイオマスビスフェノールA(以下 バイオマスBPA)とバイオマスポリカーボネート樹脂(以下 バイオマスPC樹脂)の市場展開に向けた取り組みを開始する。この取り組みは三井化学がISCC PLUS認証(国際持続可能性カーボン認証)に基づいたマスバランス方式を用いてバイオマスBPAの市場供給を開始することに伴い、帝人が同BPAを用いて同方式によるバイオマスPC樹脂の開発・生産を開始する。

自動車のヘッドランプや電気・電子部品など、さまざまな用途で使用されるPC樹脂は、市場から回収してリサイクルした製品が市場に広まりつつある中、環境負荷の低い新しい製品にも期待が寄せられている。

こうした中、三井化学は、2021年12月から石油化学工場における根幹の設備であるナフサクラッカー(ナフサ分解装置)に、石油由来ナフサに代わり、廃植物油および残渣油などを由来とするバイオマスナフサの投入を進めており、ISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式による、バイオマス原料から化学反応によって生成される各種製品の生産を開始している。

三井化学は、2022年5月にPC樹脂の原料であるBPAに対するISCC PLUS認証を取得した。同認証に基づいたマスバランス方式を用いて、国内企業として初めてバイオマスBPAを生産し、市場への供給を開始する。

また、帝人は三井化学からバイオマスBPAを調達のうえ、国内企業として初めてISCC PLUS認証に基づいたマスバランス方式を用いてバイオマスPC樹脂を生産するために、同認証の取得に向けた取り組みを行っている。

バイオマスBPAおよびバイオマスPC樹脂は、従来の石油由来のBPAおよびPC樹脂といずれも物性が同等であり、従来品から容易に切り替えることができる。環境配慮型製品の選択肢が増えることを顧客企業へ訴求し、バイオマスPC樹脂のマーケティング活動を進めていく。


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